【ご相談者様】X様ご夫妻
・夫婦で持分1/2ずつ所有。
夫婦の財産合計は下表の通りでした。
資産内容 | 金額 | 債務等 | 金額 |
---|---|---|---|
①土地 | 45,000万円 | ①銀行借入金 | 13,000万円 |
②建物 |
10,000万円 | ||
③現預金 | 5,000万円 | ||
④その他の財産 | 2,000万円 |
財産の状況及び不動産所得の状況より、不動産管理会社の設立が効果的ではないかと考え、シミュレーションをご提案しました。
①現時点で相続が発生した場合の相続税、②不動産管理会社を設立した場合の相続税の二つを簡易的に計算しました。
試算結果 | 現状 | 不動産管理会社設立時点 | 差額 |
---|---|---|---|
1次相続 | 1,750万円 | 1,906万円 | △156万円 |
2次相続 | 7,744万円 | 8,443万円 | △699万円 |
合計 | 9,494万円 | 10,349万円 | △855万円 |
※2次相続計算上は1次相続における法定相続分の財産を取得したものとして計算。(以下の税額シミュレーションにおいて同じ)
建物は会社に対して簿価で売却することとなるため、建物の相続税評価額より売却時の現金が高くなります。そのため、会社を設立すると売却時点では、少し相続税額が上昇してしまっています。
そのため、売却時点のみを見ると節税効果はないように思えます。
しかし、時間が経つにつれて節税効果は大きくなります。
例として、現状の所得等が永続することを前提として10年後の相続税をシミュレーションしてみると、下記の通りとなります。
現状維持の場合 | 会社設立の場合 | 差額 | |
1次相続 | 2,676万円 | 2,131万円 | 545万円 |
2次相続 | 11,524万円 | 9,343万円 | 2,181万円 |
合計 | 14,200万円 | 11,474万円 | 2,726万円 |
生活の変化等を考慮しないため、机上の空論ではありますが、10年後には対策の有無で1次相続、2次相続合わせて2,700万円も相続税に差額が発生していることが分かります。
これが資産管理会社の設立による不動産の流動資産化、所得分散の効果です。
この効果をX様ご夫妻にご説明させていただき、資産管理会社を設立することとなりました。
なお、売買資金は銀行に経緯やスキーム、キャッシュフローの見積もりを行うことでご納得いただき、早々にご融資頂くことに成功しました。