相続が発生すると、様々な手続きをしなければなりません。
前回、前々回に引き続き、各種相続の手続きにおいて、
添付を要求されることが最も多い書類である、
戸籍謄本についてご説明いたします。
今回は、戸籍謄本の一種である除籍謄本と戸籍の附票
についてご説明いたします。
まず、除籍謄本とは、戸籍に記載されている全ての人が
いなくなった状態で、閉鎖された戸籍謄本のことです。
除籍の原因には次のようなケースがあり、
除籍した人の名前の欄に×印が付きます。
・死亡により除籍となるケース。
・婚姻により新たな戸籍を編製したことに伴い、
在籍していた戸籍から除籍となるケース。
・離婚により前の戸籍に戻るか新戸籍を編製
したことに伴い除籍となるケース。
・転籍により除籍となるケース。
・まれですが、分籍により除籍となるケース。
戸籍法改正により、戸籍が書き替えられると、
上記の理由による除籍の事項は省略されます。
また、新たに編成された戸籍には、過去の離婚歴など
の除籍事項は記載されていません。
しかし、過去の離婚歴などが記載されていない
戸籍謄本であっても、さかのぼって、
戸籍謄本、原戸籍謄本を取り寄せれば、
過去の婚姻歴や子供がいることは判明します。
次に、戸籍の附票というものがありますが、
戸籍とセットで管理されており、
その戸籍に在籍している人の住所の異動
が記録されている書類です。
戸籍の附票は、本籍地のある役所で交付を受けますが、
不動産の相続登記や相続税の申告書を提出する際に
必要となる場合があります。
不動産の登記手続きの際、
不動産所有者(被相続人)の氏名と住所が一致していることを、
他の公的な書類で証明しなければなりません。
住所地が変わっていなければ住民票でも構いませんが、
住民票には、
現住所とひとつ前の住所のみが記載されています。
何回も引っ越ししている場合、
住民票には、
不動産の登記簿上に記載されている住所地が
記載されていない場合があります。
このような場合は、不動産の相続手続きの際に、
戸籍の附票を添付することになります。
なお、戸籍の附票は、相続税の申告書を提出する
際にも添付する場合があります。
例えば、相続時精算課税を選択している場合、
別居親族の小規模宅地の特例の適用を受ける場合、
配偶者が相続開始年に被相続人から居住用不動産
又は金銭につき贈与税の配偶者控除相当部分につき
相続税の課税価格に算入しない場合
などが考えられます。
パート1で述べたように、
戸籍謄本を親族ではない他人が取得するには、
委任状やその理由などがいるので、さかのぼってまで
戸籍謄本を取り寄せることは困難でしょう。
ただし、税理士、弁護士、司法書士などは、
職務上、相続手続きの際に、
相続人に代わって戸籍謄本を取得することができます。
大阪相続税サポートセンターでは、
各種手続きを代行するサービスがございますので、
お気軽にお申し付けくださいませ。