2020.08.12更新

今回は、相続税の申告期限についてお話します。

前回コラム「相続人と法定相続人」で出てきた「相続の開始」という文言と密接な関係にあるのが

申告期限です。

 

相続税法上、相続税の申告期限は「相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」

なっています。

具体例を示すと・・・

前提(下図参照):Aさん…被相続人(亡くなられた方)

         Bさん(長女)・Cさん(二女)…相続人

相続 前提

 

Aさんは11月1日に亡くなり、長女であるBさんは当日に亡くなったことを知りました。

二女のCさんは11月2日に亡くなったことを知りました。

この場合、Bさん、Cさんはそれぞれで申告期限が異なり、

Bさん・・・9月1日、Cさん・・・9月2日

となります。

相続 申告期限

※亡くなった当日に亡くなったことを知ったのであれば、その亡くなった日の10ヶ月後の同日

(「応当日」といいます)となります。

 

「申告期限」は「申告書の提出と相続税納付の期限」となります。

相続税は税金が高額になることも多い税金です。

特に、地主さんや中小企業オーナーの相続税に関しては現金預金はあまりないものの、

特定の固定資産がかなり高額なため相続税も高額となるパターンがあり、

申告期限までに納付税額のすべてを納付できない場合があります。

 

そこで設けられている制度が「延納」と「物納」です。

 

簡単に言うと、「延納」は分割払い、「物納」は現金の代わりに物で納付することをいいます。

 

それぞれ手続きが必要ですが、現金化することが容易ではない資産を相続した場合には

活用したい制度です。

 

また、物納に関しては物であればなんでも良いというわけではありません。

これには「順位」があり、次表の通りとなります。(国税庁HP 「相続税の物納」参考)

相続 物納

 

表にある物納劣後財産とは、物納に充てることのできる順位が後れるものとして取り扱う財産であり、

主なものは以下の通りとなります。

<物納劣後財産>

1、地上権等が設定されている土地

2、法令違反建築の建物およびその敷地

3、保安林として指定された区域内の土地

4、事業休止法人の株式

 

つまり、国に渡しても国が自由に使えなかったり、処分のために費用がかかるものが

物納劣後財産として取り扱われます。

 

相続税の納付は現金による一括払いが原則ですが、延納・物納の制度を使うことで

負担を軽くすることはできます。

しかし、このような事態に陥らないように事前に現金を貯めることは重要です。

まずはご自身の財産バランスと相続税の額をシミュレーションしてみましょう。

 

土地等の評価もしっかり行いつつ税額試算するなら当サポートセンターへお任せください。

初回相談は無料、テレビ会議等にも対応いたします。お気軽にお問い合わせください!

 

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2020.07.09更新

今回は「相続」というものにスポットを当てていきます。

前回コラムの生命保険金で出てきた法定相続人も詳細に解説していきます。

 

そもそも「相続」は民法上の制度であり、税金計算上の言葉ではありません。

「相続」とは、個人が死亡した場合に、その者の有していた財産上の権利義務を

その者の配偶者や子など一定の身分関係にある者に承継させる制度のことをいいます。

この場合、財産上の権利義務を承継される者のことを「被相続人」といい、

これを承継する者のことを「相続人」といいます。

つまり、被相続人から相続人への財産上の権利義務の承継です。

 

そして、「相続の開始」というのが「人が亡くなる」ということです。

 

上記の「配偶者や子など一定の身分関係にある者」という部分については、

民法で次の通り順位が定められています。

相続人に関する順位

 

「相続人」には相続税を考えるうえで「法定相続人」と「相続人」の2種類があります。

①法定相続人

 「相続する権利を有する人」のことを言います。

 つまり、相続放棄などにより実際には財産を相続しない人も法定相続人に該当します。

②相続人

 「実際に財産を相続する人」となるため、相続放棄をした人は相続人には該当しない

 ということになります。

 

下図を例に見てみましょう。

相続人と法定相続人の例 

この場合、法定相続人はBさん、Cさん、Dさんの3人となります。

しかしながら、相続人はBさん、Cさんとなります。

(Dさんは放棄しているため相続人とはなりません。)

 

養子や嫡出子・非嫡出子、認知、半血兄弟姉妹など、民法と相続税が関わっている部分は

まだまだ多くあります。

 

ご相続が発生し、相続人にお悩みであれば幣サポートセンターまでお問い合わせください。

 

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2020.05.12更新

今回は、相続税の計算がどのように行われているのか、ということをざっくりとわかりやすく

解説いたします。

 

相続税は、亡くなられた方の亡くなられた時点での財産に対して課税されます。

もし亡くなられた方に借金や未払の税金があれば財産から差し引かれます。

それから、お葬式等にかかった費用があればその費用も財産から差し引くことができるのです!

お葬式等にかかった費用(お布施や花代)の領収証は捨てずに保管しておいてくださいね!

 

     相続税

 

ここまでの話だと、「親族が亡くなったら借金の方が多くない限り、絶対に相続税が発生するの?」と

思いますよね。

実は、ある一定の金額までは相続税は課税されないようになります。

一定の金額・・・?

 

解説いたします。

相続税には「基礎控除」という考え方があります。

この基礎控除は誰でも変わらない部分と、亡くなられた方の相続人の人数によって変わる部分によって

構成されます。

 ◎誰でも変わらない部分:3,000万円

 ◎相続人の人数によって変わる部分:相続人一人につき600万円

簡単な例をお伝えいたしますと、亡くなられた方の相続人を配偶者(妻または夫)と子供3人の合計4人とすると・・・

 ◎誰でも変わらない部分:3,000万円

 ◎相続人の数によって変わる部分:600万円×相続人4人=2,400万円

 ◎合計:3,000万円+2,400万円=5,400万円

この家庭だと上図の緑色部分が5,400万円以下であれば相続税はかからないということになります。

これだけでも、親族の方がお亡くなりになられた際に税金がかかるかどうかを簡単に判断できますね!

 

今回は簡単に相続税の計算方法をお伝えしました。

ただ実際には土地等があると複雑な計算になるため、ご自身で判断されるのは税金の不納付となり、

無駄に利子のようなものをとられてしまう可能性があります。

そのような場合には当サポートセンターまでお問い合わせください。

初回のご相談は無料で対応させていただいております。

 

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.05.27更新

相続が発生した後、行うべき(行った方がよい)手続きについて3回にわたりお話ししてきました。最後の第4回は各種手続きの中でも「専門的」なものについて紹介します。

 

下記手続きは、その資格登録者にのみ認められています。状況に応じて複数の専門家が連携を取り、相続の手続きは進みます。ほとんどの場合、各専門家には提携している士業がいるため、依頼をした先で紹介を受けることができます。

 

〇相続税・所得税申告       :税理士

〇不動産の名義変更           :司法書士

〇係争(遺産分割調停)    :弁護士

 

ここでは特に相続税・所得税申告の専門家である税理士についてお話しします。

 

現行の税法では、相続税の計算方法は法定相続分課税方式を採っています。法定相続分課税方式とは、亡くなった方が保有されていた全財産を仮に法律で定められた相続分で取得した場合にいくらの税金が課されるかというものです。よく「私は△△△円貰ったんだけど、いくらの税金がかかるの?」といった質問を受けます。答えは「わかりません」です。

 

申告期限は相続開始後10か月以内に行う必要があるため、相続人間で連絡の取り合いが出来ていない、もめているような場合には早急に全財産の把握をしなければなりません。→Vol.3参照

 

相続税は10人税理士がいれば10通りの申告書が出来上がるといわれるほど、経験や専門性の深さで納税額が分かれます。10か月の申告期限の中で、早い段階で依頼をして頂ければ、それだけ調査・検討する時間を設けることもできます。

 

弊所では相続税専門の税理士が対応します。お困りごとがございましたらどうぞご相談ください。

 

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.05.13更新

 相続が発生した後、行うべき(行った方がよい)手続きは多岐にわたります。第1回は死亡に伴う自治体等への届出、第2回は死亡に伴い発生する権利の請求についてお話ししました。第3回では故人が保有していた資産や債務にかかる名義変更や解約手続きについてお話しします。

 

 経済情勢に左右される株式時価は短期間のうちでも大きく変動します。名義変更や解約手続きを行っている間に時価が大きく下がることはよく耳にします。

 

 金融機関が合併する前の古い通帳はありませんか?定期預金の金利キャンペーンで移動を繰り返しそのままになっている定期預金はありませんか?「誰に」「何を」相続させるかも重要ですが、「どこに」「何が」あるのかを元気なうちに整理し、相続発生後、手続きに困ることのないよう準備をする必要があります。

 

〇銀行口座の解約

〇貸金庫契約の解約

〇証券(株式)口座移管手続

〇単元未満株の小計

〇クレジットカード解約

〇信用金庫等の出資金の返還

〇住宅の火災保険契約の名義変更

〇借入金の名義変更

 

 各種手続きは平日の昼間でしか対応してもらえないものが多くあります。日中仕事をされている方で有給休暇を利用し手続きをされた相続人の方がいらっしゃいました。また、相続人の奥様やお子様が相続人に代わって不慣れな手続きをされたケースもあります。

 

 財産・債務の確定は相続税の申告に繋がります。申告時に必要な資料を名義変更や解約手続きと同時に金融機関等に請求いただくためにも、早い段階で税理士事務所にご相談いただくことをお勧めします。

 

 弊所では相続税専門の税理士が対応します。お困りごとがございましたらどうぞご相談ください。

 

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.04.25更新

 

遺言書を作成するかしないかは当然ご本人様次第ですが、例えば以下のようなケースに

該当する場合は作成しておいた方が望ましいと言えます。

 

① 何か事業を行っていてその自社株を確実に後継者に相続させたい

② 相続させる財産を相続人ごとに差をつけたい

③ 子供がおらず、配偶者と兄弟姉妹が相続人となる

 

揉めずにスムーズな相続を行うためにはやはり遺言書を作成しておいた方が無難です。

ただ遺言書を書いたとしても争族にならないよう、揉める可能性をできるだけ排除して

書くことが必要です。

 

例えば公正証書遺言の形を取る、最初から遺留分に配慮した内容とする、特定遺贈の形

をとり、すべての財産について取得する者を特定させる等です。

 

遺産分割協議が整わないと税制上の優遇措置が適用できないなどデメリットも多いため、

注意が必要です。

 

大阪相続税サポートセンターでは、相続税に強い税理士をはじめとする専門家が、遺言書

作成・遺産分割協議から相続税の節税・申告までサポートします。お気軽にお問い合わせ

ください。

 


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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.04.15更新

相続が発生した後、行うべき(行った方がよい)手続きは多岐にわたります。前回は、死亡に伴う自治体等への基本的な届出についてお話ししました。今回は「行った方がよい」手続きについてお話しします。

 

【死亡に伴い発生する権利を請求する手続き】

〇葬祭費の請求

国民健康保険の被保険者が死亡した際、葬儀を行った方に対して国や自治体から3~5万円の費用が支給されます。

 

〇埋葬料の請求

協会けんぽの被保険者が業務外で死亡した際、健康保険から5万円が支給されます。

 

〇高額療養費の請求

医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額を超えた部分が払い戻されます。

 

〇預け金等返還請求

施設に入居していた場合、入居時に支払った預け金の一部の返還を受けることが出来る場合があります。

 

この他にも加入していた年金の別に遺族年金、遺族厚生年金、遺族共済年金や労働災害で死亡した場合の労災遺族給付等、故人の状況に応じて取ることのできる手続は異なります。

なお、請求手続きで受け取った金銭について、税金が発生することがあります。取扱いについてご不明な場合は税金の専門家である税理士にお尋ねください。

 

弊所では相続税専門の税理士が対応します。お困りごとがございましたらどうぞご相談ください。

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.04.09更新

小規模宅地等の特例とは個人が、相続又は遺贈により取得した財産のうち、その相続の開

始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等又は被相続人等の居住の用

に供されていた宅地等のうち、一定の要件を満たすものについては、相続税の課税価格か

ら一定割合を減額できる制度を指します。

 

小規模宅地等の特例が使える土地には「特定事業用宅地等」「貸付事業用宅地等」「特定

居住用宅地等」の3つのあります。

 

特例が使えるためにはそれぞれ一定の要件を満たす必要がありますが、要件を満たせば相

続税評価額から大幅な減額が適用できますので、是非検討すべき特例となります。

 

今回は「特定事業用宅地等」についてみていきたいと思います。
このケースは被相続人所有の土地建物で事業を行っていたケースなどが考えられます。
要件を満たせば400㎡を限度として80%まで減額することができます。

 

例えば土地300㎡、評価額1億円の場合、特例適用後の評価額は下記となります。
評価額:1億円-1億円×80%=2,000万円

このように大幅な評価減が実現できます。

従前は相続開始の直前に被相続人等の事業の用に供されていれば良かったのですが、平成

31年4月1日以後に関しては相続開始前3年以内に新たに事業の用に供された宅地等が本特

例から除かれることになります。

 

お亡くなりになられる直前に事業供用し特例を受けることへの対応策と考えられます。
この点に注意して特例の可否を判断していくことになります。

 

 

大阪相続税サポートセンターでは、相続税に強い税理士をはじめとする専門家が、遺言書

作成・遺産分割協議から相続税の節税・申告までサポートします。お気軽にお問い合わせ

ください。

 


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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.04.02更新

相続が発生した後、行うべき(行った方がよい)手続きは多岐にわたります。相続開始後、息つく暇もなく各種の手続きの期限が迫ってきます。これらの手続は実際に体験した人でないと、その煩わしさ、手間はわかりません。その時、慌てないためにもどのような手続きがあるかを確認し、生前にしっかりと話し合う必要があります。

ここから全4回で各種手続きについて説明をします。

 

【死亡に伴う自治体等への届出】

〇死亡届

〇火葬許可

〇健康保険「喪失」「変更」

〇介護保険資格「喪失」

〇後期高齢者資格「喪失」

〇年金受給者死亡届

〇運転免許の死亡取消

〇公共料金等(電気・水道・ガス・電話・インターネット・NHK)の契約者変更

 

「姻族関係終了届」を提出し、配偶者の血族と縁を切る方もいらっしゃるようです。また併せて「復氏届」を提出することで結婚前の戸籍の姓に戻すことも出来ます。各種手続きには期限があるもの、ないもの様々です。

近頃では、役所内に「おくやみコーナー」を設置し、亡くなられた方に関する様々な手続きをワンストップで相談することもできます。

 

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2019.03.25更新

「遺贈」とは遺言によって財産を無償で譲渡することを言います。

そして「遺贈」によって財産を受け取ることを「受遺者」と言います。

 

譲る相手に特に制限はなく、親族ではない他人に対しても「遺贈する」と表現することが

できます。

 

「遺贈」には「特定」遺贈と「包括」遺贈の2種類があります。

 

「特定」遺贈は、遺贈する財産を具体的に特定して遺贈する方法を指し、「包括」遺贈は、

相続財産を特定することなく、その全部又は割合的な一部を特定の者に遺贈することを指

します。

 

具体的には「大阪府○○市○○番地の土地をAさんに遺贈する」という形で財産を特定さ

せて行う遺贈が特定遺贈となります。

 

一方、「全財産の1/2をAさんに遺贈する」という形で行う遺贈が包括遺贈となります。

 

なお、特定遺贈は包括遺贈とは違い、特に遺言で指定をされていなければ遺言者の借金な

どのマイナスの財産を引き継ぐことはありません。

 


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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

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