2019.03.25更新

「遺贈」とは遺言によって財産を無償で譲渡することを言います。

そして「遺贈」によって財産を受け取ることを「受遺者」と言います。

 

譲る相手に特に制限はなく、親族ではない他人に対しても「遺贈する」と表現することが

できます。

 

「遺贈」には「特定」遺贈と「包括」遺贈の2種類があります。

 

「特定」遺贈は、遺贈する財産を具体的に特定して遺贈する方法を指し、「包括」遺贈は、

相続財産を特定することなく、その全部又は割合的な一部を特定の者に遺贈することを指

します。

 

具体的には「大阪府○○市○○番地の土地をAさんに遺贈する」という形で財産を特定さ

せて行う遺贈が特定遺贈となります。

 

一方、「全財産の1/2をAさんに遺贈する」という形で行う遺贈が包括遺贈となります。

 

なお、特定遺贈は包括遺贈とは違い、特に遺言で指定をされていなければ遺言者の借金な

どのマイナスの財産を引き継ぐことはありません。

 


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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2017.09.19更新

相続財産を引き継ぐかどうかの選択肢として、3つの方法を、前回お伝えしました。
相続人が最適な方法を選択できると同時に、少し注意が必要になってきます。


■3か月以内という期限

 

プラスの財産の方が多い場合、単純承認で相続しても、相続財産で借金を支払うのが可能なため、問題は生じません。
しかし、マイナスの財産が多い場合、「相続の開始を知った日から3か月以内」に、限定承認や相続放棄の手続きをとらずにいると、自動的に、単純承認となってしまい、マイナスの財産を含め、全財産を相続することになります。
 
■被相続人の財産に安易に手をつけない
 
例えば、亡くなられた人の葬儀費用を亡くなられた人の現預金から支払えば、単純承認したとみなされ、原則、限定承認や相続放棄ができなくなってしまいます。
限定承認や相続放棄は、裁判所の判断をもって決定されますので、気を付ける必要があります。

 

■限定承認のみ、相続人全員で申請する必要がある

 

前回ふれましたが、相続人が複数いる場合、相続人全員が共同してのみ、限定承認申述を行うことができます。一人でも限定承認に反対の者がいる場合、相続放棄した方がよい場合もあります。
 

 


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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2017.08.18更新

相続が発生すると、被相続人の一切の権利・義務が相続人に引き継がれることになります。
しかし、相続財産の評価や確定に時間がかかるものです。
結局、財産がプラスなのかマイナスなのか判然としないこともあります。また、多額の借金など相続したくない場合もあります。
そのため、相続人には、3つの選択肢があります。

 

■単純承認

 

相続財産は、マイナスも含め、すべて相続する、というものです。
ほとんどの方がおこなっている手続きで、各相続人が単独でできます。
 
■相続放棄
 
単純承認とは反対に、財産も債務も一切相続しない、というものです。
財産より借金のほうが多い場合に選ぶ方法です。明らかに借金が多いと判っていても、相続の発生前に放棄することはできませんし、相続放棄すると代襲相続はできません。
所定期間内に、家庭裁判所への申請が必要ですが、各相続人が単独でできます。

 

■限定承認

 

相続財産の範囲でのみ、債務を相続する、というものです。
財産と借金のどちらが多いかわからない場合に、プラスの財産の範囲内で借金を返済する方法です。
相続放棄と同様、所定期間内に家庭裁判所への申立書が必要となりますが、相続人全員で行わなければなりません。
合理的な方法ですが、財産の調査・目録作成・財産の換金化および債務返済など、手続きが煩雑であることや税務上の問題などから、実務上、ほとんど利用されていないと考えられます。
 

 

 


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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2017.06.16更新

相続では、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も、相続人に承継されることになります。
特に、借金のような金銭債務の承継は、誰もが気になるところです。


■法律上、金銭債務は、法定相続分に応じて承継される

 

相続人は、当然に分割された債務を返済請求されることになります。
遺言書や遺産分割協議書で、特定の相続人に債務を承継させると記載があっても、債権者に主張することはできません。

 
■承継する相続人が指定されている場合
 
遺言書等に債務を承継する相続人が指定されているのであれば、「免責的債務引受契約」を結ぶことで、債権者の承諾を得ることができます。
ただし、承継する相続人に資力があるかの審査がなされるでしょう。

 
■遺言等の内容は相続人の間では有効である

 

このように、誰かが債務を引き受けるという合意が相続人の間でなされているのであれば、各相続人が一旦、債権者の取立請求に応じて返済し、のちに債務承継する相続人に対して返済額を返してくれるよう請求することができます。


 

借金の返済請求がくるリスクは、相続人全員にあります。
債務の承継対策をきちんとしておかないと、思わぬ借金を背負いかねません。

 

 

 

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2017.05.22更新

あなたの大切な方が亡くなった場合に必要な手続が様々あります。
手続された方が有利な内容ですので、必要に応じてなるべく早めに手続するようにしましょう。

 

1、埋葬費用の申請手続き

 亡くなった方が国民健康保険・後期高齢者医療制度に加入されていた場合(①)、会社員等で健康保険に加入されていた場合(②)にそれぞれ埋葬費用が支給されます。
 手続としましては所定の支給申請書に必要事項を記入のうえ、①の場合は葬儀を行った喪主等が故人の住んでいた市区町村へ申請します。②の場合、生計を維持されており埋葬を行った方が故人の勤務先の管轄協会けんぽ若しくは健康保険組合へ申請します。(②の場合は、会社が手続する場合もあります。)


 支給額は、①の場合は住んでいた市区町村や加入制度によっても異なりますが、一般的に3~5万円くらいです。②の場合は5万円とされています。

 なお、行われた葬儀・埋葬に対し支給されるものであるため、実際に葬儀や埋葬を行っていなければ支給されません。


2、亡くなった方の事業を引き継ぐ場合

 このような場合、所得税の確定申告義務が発生します。
青色申告承認申請書を提出期限までに管轄の税務署へ提出し、複式簿記で帳簿をつけるなどの要件を満たせば税金計算上有利な規定を受けることができます。

 亡くなった方が生前青色申告を行っていても、その効力が引き継がれるわけではありません。事業を引き継ぐ者が以前から青色申告を行っていた場合を除き、青色申告をする場合には申請書の提出が必要です。

 

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2017.05.19更新

 非上場会社の先代オーナーが自社株式を保有したまま死亡した場合、後継者にとって、一般には非上場株式は換金性が低く、相続税の納税資金の確保が課題となります。


■金庫株の効果とは

 後継者は、相続した自社株式の一部を自社に買い取ってもらい、金庫株とすることで、譲渡額を相続税の納税に充当することができます。

 
■税務面で有利なこともある
 一般的には、みなし配当課税の問題が生じるところです。

  しかし、非上場株式を相続により取得し、申告期限後3年以内に発行会社に譲渡するといった一定要件を満たした場合、譲渡所得課税となり、税率がかなり抑えられます。

  また、相続税の取得費加算の特例の適用により、自社株式の譲渡にかかる税負担が軽減されます。


 相続税対策のほかにも、金庫株には、後継者以外に分散した自社株式を自社に集中させることで、事業承継をスムーズに行えるという面もあります。

 

  オーナーに万が一のことがあった場合には、事業承継のみならず様々な問題が一気に出てきます。
 
 経営者として、遺族や会社関係者に迷惑をかけないように、早めに何らかの対策を講じておくことが責務であるといえます。

 

 

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2017.04.24更新

あなたの大切な方が亡くなった場合に必要な手続が様々あります。
その中でも緊急性はありませんが、なるべく早めに行わなければならない手続があります。

 

1、公共料金の支払方法の変更・解約手続
 電気・ガス・水道代や電話代などの支払を口座引落にしている場合、亡くなった方の口座が凍結されてしまうと自動的に支払できなくなってしまいます。
 口座の変更や支払方法の変更などの手続をなるべく早くとるようにしましょう。

 

2、身分証明書などの返却手続
 亡くなった方の身分証明書については、返却手続が必要です。

例えば運転免許証の場合、最寄りの警察署などの窓口に運転免許証と死亡の事実が確認できる書類を持参します。パスポートの場合は最寄りのパスポートセンターへ、パスポートと死亡の事実が確認できる書類を持参します。なるべく早い方がよいでしょう。
死亡の事実が確認できる書類とは、死亡診断書のコピーなどが該当します。

 

3、亡くなった方の所得税の申告手続
 人が亡くなると相続税の方を先に考えがちですが、以下に該当する場合は準確定申告という申告手続が必要です。
 ①事業所得・不動産所得がある
 ②給与を2ヶ所以上から受け取っている
 ③給与所得や退職所得以外の所得がある
これらは通常確定申告が必要なケースとほぼ同じです。

その他、多額の医療費を支払った場合など申告することで所得税の還付を受けられるようなケースでも手続するとよいでしょう。

 

 もしその年の3月15日までに亡くなって前年分の確定申告をしていない場合は、その申告もあわせて行う必要があります。申告期限はどちらも、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内とされています。相続人や包括受遺者(包括遺贈を受ける者)が亡くなった方に代わって申告します。

 

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投稿者: 中田聡公認会計士事務所

2017.04.14更新

より一層の節税効果を見込める方法の一つとして、生前贈与に生命保険を活用することがあります。

 


■生命保険を贈与する事情

 

子供に現金などまとまったお金を若いうちから贈与してしまうと、無駄遣いや金銭感覚を狂わせてしまうのではないか、との不安が生じます。
生命保険であれば、実際に保険金を手にするのは、親の相続発生時です。
現預金のように簡単には使うことができず、このような不安を解消することができます。

 
■どのような契約の保険とするか
 
   契約者:子  被保険者:親  保険金受取人:子

生前贈与の非課税枠をつかって子に財産を贈与し、その贈与した金額で子が生命保険に加入します。
子は、保険料の負担を抑えられる上、相続財産を減らすことで相続税を節税することができます。


■気を付けておくべき点
 
 子が保険料を支払う、という事実が重要です。
先ほど述べた保険契約であっても、親の預金口座から保険料を支払っていると、親が実質的な契約者とみなされ、贈与とはみなされない場合があります。

また、支払った保険料は、親(贈与者)の所得申告の際に、生命保険料控除に算入しないことです。


■一時所得との関係

 

子が受け取る保険金は、保険料を子自身が負担しているため、子の一時所得となります。
一時所得は、 (受取保険金-支払保険料総額-50万円)×1/2 です。
受け取った所得のほぼ半分に課税されると考えられるため、生命保険を贈与する方法は有利な対策の一つといえます。
ただし、すべての場合において有利であるとは言い切れませんので、専門家に相談するなどして、実際に試算してみることをお勧めします。

 

 


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2017.03.24更新

あなたの大切な方が亡くなった場合、直後にどのような手続が必要でしょうか。
気持ちの整理もなかなか難しい時期ではありますが、速やかに行う必要があります。

 

1、健康保険の資格喪失手続


 被保険者である者が亡くなった場合には、資格を喪失するため健康保険証は死亡の翌日から使えなくなります。資格喪失の手続をして健康保険証を返却する必要があります。会社員等であった場合には、会社側で基本的な手続をしてくれることが多いため、会社に確認をされるとよいでしょう。
 手続期限は国民健康保険の場合は14日以内、健康保険(会社員等)の場合は5日以内とされています。

 

 亡くなった方が国民健康保険・後期高齢者医療制度に加入していた場合には、葬儀費用の一部として葬祭費が支給されます。支給額は故人のお住まいの場所などにより異なりますが、一般的に3~5万円くらいです。もし会社員等で健康保険に加入していた場合は、埋葬料(または埋葬費)が支給されます。支給額は5万円の範囲内で埋葬にかかった費用とされています。
 資格喪失の手続とあわせて請求をされておかれるとスムーズです。

 

2、世帯主の変更届出


 世帯主が亡くなった場合など、世帯主を変更する必要がある場合には変更が生じた日から14日以内に変更手続をします。この場合、世帯主変更届を死亡届とあわせて故人の住んでいた市区町村役場の窓口へ提出します。

 

 新しい世帯主が明確である場合や、亡くなった方が世帯主でない場合には世帯主の変更についての届出は不要です。

 

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2017.03.22更新

相続税節税の基本は、相続財産を減らしておくことです。
そのため、相続税対策として、生前贈与を考えておられる方は案外多いのではないでしょうか。


■ 生前贈与は年間110万円までは非課税

 生前贈与は、計画的に財産の移転を可能にします。早期に始め、長期間、多くの人へ贈与すれば、多額の財産が移転されることになります。
 ただし、相続発生前3年以内の贈与は、相続財産となってしまうことに、注意が必要です。


■ 贈与の確認

  贈与契約は、口頭でも可能ですが、贈与者が亡くなり相続が発生したときに税務調査で贈与と認められないケースもあるため、その都度、贈与契約書を作成しておいた方がよいでしょう。


■ 通帳と印鑑は贈与を受けたものが管理する

 受贈者が自分の財産を自由にできる状態でなければ、贈与と認められません。
例えば、親が自身の口座から子供名義の口座に毎年110万円移動させ、通帳・印鑑の保管を親がしているケースは、「名義預金」であり、贈与にあたりません。


■ 連年贈与にならないようにする

  毎年同じ額を同じ時期に贈与があった場合、例えば、1000万円を100万円ずつ10年間贈与していても、1000万円一括贈与したものとして判断されることがあります。
贈与の都度、双方の意思の裏付けとなる契約書を作成し、贈与のタイミングや金額を少しずつ変えるよう対策も必要です。

 

 

相続税対策とならない生前贈与となってしまわないよう、事前準備はしっかりとしておきましょう。

 

 

 

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